エントリー

ATS-25を作製する(その2)

  • 2024/02/20 19:52
  • カテゴリー:ラジオ

オリジナルATS-25のケースを作製

ケース設計

ATS-25を作製しようと思った時から考えていたのがタッチパネルなので縦型にしたほうがUIが良いのではないかいう構想

上側にパネルがあって下側をつまみ類にする縦型だが,底面が狭くなるので基板設置が厳しくなりどうしようか悩んでいた

とりあえず横型でラフスケッチしてみると配置は以下のようになった

IMG_20240217_182538.jpg

これを大まかに実サイズで検証してみると基板2個が180×120㎜位で入る

IMG_20240217_140733.jpg

で,これを2段になるようレイアウト,下段に電源基板上段にメイン基板にして110×120㎜で入りそう(これをスケッチしたのが右図)

IMG_20240217_140758.jpgIMG_20240217_161313.jpg

高さが必要になるので前面を検証して,6面の板の切り出しサイズを間違えないように確認

IMG_20240217_161252.jpg

 

ケース加工

ケースの材料は前面アクリルとかも考えたが,DAISOでMDF板が復活したので価格を優先

6㎜MDF板と2.5㎜MDF板を購入して加工

IMG_20240217_161422.jpg

しばらくDAISOでMDF板が無かったのだけど,今回加工した新しいMDF板は昔の物と比べて質が悪い(昔のMDF板を部屋のあちこちで台として使用しているので比べてみた)

ほとんど紙に近いのでカッターでも簡単に切れてしまうしノコを使うより綺麗に切れる(が,ドリルは慎重に少しづつ拡大していかないとボロボロになる)

良いところは木工用ボンドで頑丈に接着できる点であり(結果であるが)今回は全部接着で済ませてしまった

IMG_20240220_100010.jpg

ケースは上下に分けて作製したが組み合わせる方法が・・・MDFが薄すぎて脆く木ネジで止めれない(昔のMDFなら可能→ホームセンターのMDFでも可能だけど価格が3~4倍)

横からか底からなど悩んが挙句,3Dプリンタでパーツを作って側面からネジ留めにした

IMG_20240220_100054.jpg

いつものように半田こてで付ける

IMG_20240220_123204.jpg

位置合わせが大変だったが上下を組み合わせることに成功

IMG_20240220_132917.jpg

出来ているパーツを付けてみた

IMG_20240220_191627.jpg

MDFケースの塗装は(酷い目にあって自信ないし)昔より脆くて更に危なそうなので行わない

パーツ類

設置するパーツが判っていないとケースはできないので次の物を予定して設計

(電源SWとVR)

拙者は電源SWは背面と決めているのだけど,前面中央にロータリーエンコーダーが設置され,その左右のバランスとして何もないので前面にした

IMG_20240218_125850.jpg

(RF端子)

FMがFコネ,HFにBNCを予定

IMG_20240218_141614.jpg

(アンプ)

LM386ボードを使用

IMG_20240218_172857.jpg

(スピーカー)

100㎜スピーカーを準備していたのだけど,サイズ的にDAISOスピーカーにした(内蔵はモノラル)

スピーカーカバーはいつものプランターのネットを加工

IMG_20240218_200226.jpg

(外部AF端子)

外部はステレオ対応

IMG_20240217_182946.jpg

電源基板

電源はACアダプタによる供給でも十分だけど,単体で動作およびノイズ軽減のためバッテリを搭載する

バッテリは¥500モバイルバッテリを流用するため分解して取り出した

IMG_20240218_101621.jpg

充電にはモバイルバッテリの基板を流用して3.3Vを三端子レギュレーターで作るため電源基板を下段に設置

取出したモバイルバッテリの基板からは必要のないUSB-A端子を取り除く

IMG_20240218_125803.jpg

3.3Vにはドロップ電圧の少ないNJM2884Uを使用(表面実装チップを既に変換基板にしてある)

IMG_20240218_140633.jpg

※)久々に使ったので回路設定を間違えて正常に出力できず壊れたものと判断してしまい1個無駄にしてしまった(悲)

必要電力は試行時に計測しており,5Vにて80mA~100mA(アンプ別)だったので3.3V500mAあれば十分足りるだろう

IMG_20240217_095319.jpg

5V出力もアンプ用で必要なるかもしれないので出しておいた(DCDCなのでなるべくなら使いたくないが)

尚,5VのDCDCは負荷が無いと動作しないようだ

IMG_20240218_174910.jpg

メイン基板

ケーブル類も全部作ってあるので,残りはメイン基板となり現在配線中

IMG_20240220_191510.jpg

中波(AM放送)に関して

2月1日から(新居浜の)南海放送の出力ダウンだけど然程感度が変わらなかったが,本日から感度がガクッと落ちたようだ

中波は夜になれば全国で聴くことのできるので,時代なのでしかたないのもあるけどキー局位は愛媛の放送として残して欲しいなと思う

ATS-25を作製する

ATS-25はタッチパネルカラー液晶で見栄えは良いが¥10k弱~¥30kと高価

またDSPがSI4732なので同じDSPのATS-20を所有してることもあり特に欲しいとは思わなかったのだけどソフトウェアが改良され機能と液晶表示に魅力を感じるようになってきた

オープンハード・ソフトウェア(ソフトウェアは一部ライセンスが必要な物もある)なので,これはもう作製するしかないと2024年の初頭に思い立ち部品調達を開始(ちなみに自作されてる方は多い・・・ので安心)

部品調達

国内で価格面や手に入り難いのもありAliexpressで購入したのだが,少々問題もあり再購入を繰り返し何とか春節前に揃った(実はまだ1件闘争中)

価格は税と送料込みで記載

  • SI4732:¥619/個
  • SOP16表面実装基板:¥27/個(¥277/10個)

IMG_20240212_130534.jpgIMG_20240212_130629.jpg

  • 32.768kHz(水晶発振子):¥22/個(¥220/10個)

手持ちもあるが発振不良もあるので念のため購入

  • ESP32開発ボード:¥503 もう1つは¥642(Type-C)
  • ESP32開発ボードアダプタ:¥370/個

IMG_20240212_125946.jpgIMG_20240212_125857.jpg

コンパクトな30pin版,L1なので安価なのか

アダプタの方は間違えて購入してしまったのだけど結果は役に立った

  • TFTタッチパネル(2.8インチ):¥1,440

IMG_20240212_130350.jpg

  • ロータリエンコードモジュール:¥61.5(¥615/10個)

IMG_20240212_125803.jpg

SWのプルアップは(この製品の場合)基板裏にショートパターンがある

  • バッテリ:¥550

IMG_20240213_150643.jpgIMG_20240213_151621.jpg

何年か前に購入した100均の¥500モバイルバッテリで3.7V4000mAhのリポ

充電回路はそのまま利用(ノイズ対策が必要か),出力はリポから直接三端子レギュレーターで3.3Vに降圧して使う

※)主回路はデジタルだが入力はアナログなのでノイズ元となるDCDCは極力使用しないようにする方針

  • その他:もろもろあるが後で再計算予定

ここまでで約¥3k(一台分)

ブレッドボードに組む

回路は「IU4ALH」さんの「SI4732_Radio as at PI4RAZ」から,変更もあるので回路図を作ろうとしたけど面倒だったのでイメージで修正

(最終版)

pict20240215_01.png

SI4732を実装基板に載せる

IMG_20240212_133747.jpg

注)半田付けを,左)気にしないでブリッジさせて吸取線使用,右)ブリッジさせないようピン毎に慎重に付けた,ので結果が異なる

TFTタッチパネルを3.3V用にする

IMG_20240213_173212.jpg

本来は各部品のチェックすべきだけど問題あったらやればいいやと思い組んでみた

IMG_20240215_173236.jpg

一発目:ソフトウェア「SI4735-Radio-ESP32-Touchscreen-Arduino-master.zip」を転送して電源ON・・・駄目でした(甘くない)

配線を再確認したが問題なし

TFTタッチパネルの確認

うんともすんともいわない液晶画面がまず怪しいので確認

サンプルプログラムで確認するがまったく反応しない,SPIのピン指定ミスとかだと思うのだけど解決しない

こちらの記事でやってることに間違いはないことを確認したが動作しないので不良品かと思っていたところ,もしかして「SI4735-Radio-ESP32-Touchscreen-Arduino-master.zip」をコンパイルするにあたりReadme通り編集した「TFT_eSPI」に問題があるのでは・・・と

結果「TFT_eSPI」を再インストールしたらサンプルプログラムは動作

IMG_20240215_153858.jpg

これでTFTタッチパネルは正常であることが確認できた

でも本筋は動作しない

SI4732の確認

画面表示までいかないので「SI4732」の問題かと考え2個目に付け替えてみたが同じ

液晶は関係ないので「PU2CLR」ライブラリの「SI4732」サンプルプログラムを導入してチップの動作確認する

何でも良さそうなのだけど「AM_FM_TOUCH_SERIAL_MONITOR」を使用したところヘルプ画面が出ただけで止まる

前後にdebug printを挿入して確認したところ「SI4732」の初期化で止まっていることが判明しI2Cアドレスが取得できていないことが判った

チップ周りに水晶以外の追加は無いので,水晶を交換したり電源のパスコンを調整したりしたが駄目

どうしようもなく更にAitendoの「SI4732モジュール」の回路図を参考にして元回路になくI2Cに関係のあるRST部分にパーツを追加したが駄目

・・・

大嵌りしていたところ10ピンSENBの配線に気付く

Aitendoの「SI4732モジュール」ではGNDに接続されてる!!

pict20240215_02.png

GNDに接続し直しても破壊されることはないのでやってみると動作しましたよ!

「SI4732」の版数で異なる?のか?(上の回路図は修正済 )

注)SENBはI2Cアドレス指定でH or L接続にて2つ選択できる,拙者の個体ではGnd接続でのみ動作したがライブラリでアドレスを自動判定していないのか?

サンプルプログラムで受信確認もできたので「SI4732」も良し(2個とも正常)

ソフトウェア

ようやくこれで動作するかと思いきや結局「SI4735-Radio-ESP32-Touchscreen-Arduino-master.zip」は動作せず「SI4735_2.8_TFT_SI5351_V.5.2b_Dark.zip」を試す

どうやら「TFT_eSPI」がキーらしく対応するバージョンでないと正常に動作しないようだ

YouTube「jashiチャンネル」さんの情報で「SI4735_2.8_TFT_SI5351_V.5.2b_Dark.zip」について対応する「TFT_eSPI」の情報がある

コンパイルエラーは最新の物でも発生しない(warningは出る)が動作はしない

ダウンロードした「TFT_eSPI_2.8inch.zip」は,ライブラリを削除(ライブラリのTFT_eSPIフォルダーの削除でも良い)した後,IDEでZIP登録(メニュ「スケッチ」>「ライブラリをインクルード」>「ZIP形式のライブラリをインストール...」を実行)しなければコンパイルエラーとなるので注意

IMG_20240216_150740.jpg

とりあえず,ようやく動作したのでAM,FMの受信確認

IMG_20240216_163403.jpg

なぜかATS-20より音が良好に感じるのは気のせいか

暫くFM受信で聴いていたら

IMG_20240216_162745.jpg

ディスプレイセーバーモードに移行するのね,素晴らしい!

明日から基板化とケース作りとなる

 

スパイダーコイルを作りAM受信

  • 2024/02/11 20:00
  • カテゴリー:ラジオ

スパイダーコイルを作製.4~200pF(最小容量)のポリバリで同調回路を構成

コイルの性能を確認するため,前に購入したラジオキットのTA7642(UTC7642互換)を利用してAMラジオを作製

IMG_20240211_155135.jpg

スパイダーコイル

コイルのベースは3Dプリンタで印刷

IMG_20240204_194559.jpg

STLは「thingiverse.com」に良いのがあったので利用,サイズを75%にして巻き直径中央30㎜外側80㎜にした

IMG_20240204_194612.jpg

線は0.35㎜を巻き数をカウントしないで全部(10m)巻いた

9角を飛びで巻いたので5角形となりスパイダーというよりペンタ×2コイルになったようだ(見た目は悪くない)

IMG_20240205_172514.jpg

10mでインダクタンスが214μH,計算上500μHは必要なので更に10m追加

IMG_20240205_193139.jpg

まだ足りないかなと思っていたら20mで681μHとなる(外側の巻きの方がインダクタンスが高くなるようだ)

インダクタンスが高くなったので3m減らし543μH,更に2m程減らし471μHに調整(つまり約15m巻きとなる)

IMG_20240209_153659.jpg

nanoVNAで同調範囲を確認

IMG_20240209_154148.jpgIMG_20240209_154213.jpg

ポリバリで487~1,456MHzとなり少し下方だが多少は寄生コンデンサがあるので計算を踏まえ調整終わり

不安を解消するため正常な同調回路と同等であることを確認

IMG_20240208_144513.jpgIMG_20240208_144432.jpg

実験ボード

同調回路とスピーカーを使うためのアンプを分離構成した実験ボードも作製

IMG_20240211_181828.jpg

TA7642で受信

IMG_20240211_155154.jpg

問題なく昼間にローカル3局(NHK1,2,南海放送)の受信を確認

選択度は然程でないがローカル局なら室内でも良好に受信できるので優秀なチップだ

ダイオードラジオで受信

試しに繋いでみたが

IMG_20240211_120222.jpg

アース側からノイズが酷く入り受信不可

生活ノイズだと思うが最近酷いようなので軽減させるためフェライトコアを入れてみたが効果は薄い

(追加:2024.2.14)

TA7642を最小部品構成で基板化(ケーブルで取り付けたが,後でピン差しに改良予定)

IMG_20240213_192836.jpg

昔のラジオの様な懐かしい音で鳴っている

IMG_20240214_192752.jpg

(追加)

最初が南海放送で後がNHK1

RFアンプケース作成

結局RFアンプを単体で動作させるためケースを作製

設計と配線図

IMG_20240203_132905.jpg

アンテナカプラに内蔵したRFアンプと同じボードを使うがゲイン制御は電圧変更で行わないでアッテネータを設けた

アッテネータは-5dBと-10dBをトグルスイッチで連結して-5dB,-10dB,-15dBを使えるようにする

ケース設計と結線図

アルミ板の切り出しのため厳密なケースサイズを検討

IMG_20240203_132923.jpg

発振対策

アンテナカプラに内蔵時,発振が問題となった

そのまま使えば問題にならないので,SMAコネクタ(メス)を外したことが影響しているのかと考え,今回は外さないでSMAコネクタで繋ぐことにした

同軸ケーブルは固いためケースの空間に気を遣う使う必要がある

IMG_20240203_132956.jpg

配線&チェック

今回は実体配線図を作っておいたので配線も問題なく完成

IMG_20240203_161920.jpg

12Vを入力するので電源の接触確認は確実に何度でも行う

受信

心配だった発振も起きず動作

RFアンプが32dB+のゲインあるのでアッテネータを入れないと近場の局は受信不能になる

アッテネータはON/OFFでマイナスゲイン通りSメータ値が変わるので問題なさそうだ

IMG_20240203_164936.jpg

久々に納得できるものが完成したかな

内外観

(前方)

RFアンプの上部にはシールドを設置

左から「-5dB ATT SW」「-10dB ATT SW」「RF ON/OFF SW」「Power LED」

IMG_20240203_162858.jpg

(後方)

左から「IN SMA」「電源」「OUT SMA」

IMG_20240203_162909.jpg

(上蓋ケース)

3Dプリンタで印刷(PLA),側面でネジ留め

IMG_20240203_162955.jpg

(裏)

ベースは木板(DAISOの9㎜厚)

上蓋ケースで底面左右を下から被せて脚にした(滑り止めが必要なら脚に付ける)

IMG_20240203_163106.jpg

ユーティリティ

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

過去ログ

Feed