SDR用アップコンバーターの作製
安価なUSBワンセグチューナーでSDRを楽しめるが下が30MHz~なのでHFを受信することができない
Q-Inputで受信しようとしたがRTL-SDRの類似品を購入してしまい失敗・・・正規品でも感度は良くないとのことなので簡易アップコンバーターを作製することにした
回路図
40MHzのオシレーターとミキサー(DBM)SA612Aを使って40MHzのアップコンバーター(クリスタルコンバーター)となる
入力で30MHzカットのLPFを通過させる
LPFをLTspice XVIIで確認(設計はこちらを利用)
試作
主部品は秋月通販で調達
(1)ミキサー部
SA612Aは表面実装版しかなかったのでSOP8変換基板を使用
オシレーターの出力波形
SA612Aの出力波形
(2)LPF部
コイルは0.55㎜のエナメル(ポリウレタン)線で直径8㎜にて300nHを6回巻き,400nHを8回巻きし自作Lメーターで測定して確認
崩れないように8㎜の塩ビパイプに巻き両端は穴を通して固定
NanoVNAで確認
LTspice XVIIとは逆に見えるが(NanoVNAでは同調が低になるので)合っているはず
(3)全体
ミキサーとLPFを統合させて実際にSDRで復調させてみて低感度だが動作した感じ
基板化
ユニバーサル基板
発振部があるのでシールドを考慮すべきだけど,基板の外側にGNDを置くようにしてシールドを追加できるように配置してみたのみに留まる
ラインには太い(0.9mm)銅線を使った
電源考察
試行確認のためもあったのだが基板には電源入力としてマイクロUSB端子を付けた
しかし,後で電源をチューナーのUSBと兼用にすれば良いかと考え,またチューナーも(2個同じような物があることで)同時に組み込むことを前提に消費電力を調査することに
アップコンバーターは,ほとんど電力を消費しない
DVB-T+DAB-FMでは210mA
RTL.SDRだと230mA程度だった
どちらのチューナーを利用してもUSBからの供給で問題ない
ケース
アルミケースが理想的だが直ぐに準備できないので3Dプリンタで作る
チューナーはRTL.SDRを使用することにして当初の配置は結線を短くするため以下のつもりだった
しかし何故かチューナーからSMAコネクタとUSBコネクタを外しケースの採寸をする際逆に配置してしまい
印刷したので,以下の様になった
この状態で試してみたところ,特に混信もなかったので蓋をして完成
入力はFコネクタで出力のUSBケーブルは直付けにした
動作試験
アップコンバーターとしては機能しており感度は良くないがラジオNIKKEIを46055MHzで受信できた
また正しく機能しているかどうかを(丁度制作していた)クロップ発振を使って確認してみたところ正常であるようだ
室内にて外部アンテナ接続時の受信状況では,近距離の中波2局(NHK,南海放送)は,アンテナが良くないのか受信できず
短波は(出力がでかいのか)中華の放送は満足に受信できるがその他は厳しい
同様な環境でDSPラジオでも受信状態が良くないのでロケーションが悪いのかもしれない
今回懐かしくも短波放送を聴いてみたが,BCL全盛の46,7年前とは比べようがないくらいラジオ放送が寂しくなった気がした