室外設置用マグネチックループアンテナの改良
- 2023/05/16 16:02
- カテゴリー:アンテナ
前回作製した(アルミパイプ使用の)改良マグネチックループアンテナが落ち着いたので室外設置用マグネチックループアンテナの作製に取り掛かった
当初,電材を用いて直径1mのループ(エレメント3m)にするつもりだったのだが,ループ補助に使用する予定のPF菅では固さの関係で1mは厳しそうなことが判明
補強材を十字やクロスで追加すれば良さそうに思えるが風の影響が心配で,風量による強度確認するのも手間なので他の方法を考えた結果2重ループ(エレメント4m)にすることにした
エレメントが2重になっても遜色ないことは確認,またエレメント間に隙間が必要かと思いPF菅も2重にすることを考えていたが,これも気にするほどではないことを確認(PF菅は1重で済むので風の影響も増加しない)
設計1
アルミパイプ版と同じ構成では意味ないしつまらないのでエレメントから直接トランス(トロイダルコイル)を通して給電することにした
トロイダルコイル(FT82 #43使用)は24T:2T
電材のボックス,PF菅,VE菅を利用して骨組みを構成
エレメントはKIV3.5sqを使用
線はPF菅(間に上部ボックス)に2本線を通しどこかでクロスされている
線端の4点は下部ボックス内でボルトで止め上側は導通(もしくはコンデンサで補正)させ下側は給電トランスへ
測定器でインダクタンスを計測してみると約1mHって,でかい・・・あっと当然か
nanoVNAで見てみると124MHzで同調が深い
1mHでは計算上でも1~50MHzの範囲を調整することができないので先にインダクタンスの調整が必要
実際に使用してみて7-10MHzあたりはほとんど受信できないし,この構成は調整が大変そうなので没とした
設計2
Max.200~400pF位で7MHzを同調させたいのでインダクタンスは10μH位が望ましい
今度はインダクタンスが最小となるようエレメントをトロイダルコイルに通すだけ(1T)にした
給電側は7T(参考:http://ja1xrq.g.dgdg.jp/MLA/MLA.html)
手持ちに太い線が無かったのでボルト間のみ5.5sqにしてトロイダルコイルを(FT50 #43)に変更(8Dの同軸でもあれば良かったのだが)
ボックス内にはトロイダルコイルが小さくなったため空きスペースが多く取れるように配置
インダクタンスを計測してみると理想的な12μH
自作計測器でも測定し7.1μHなのを確認
nanoVNAでは何故か平坦(大丈夫なのか?)
複数個のコンデンサを繋いでみて同調周波数を確認すると,220pF:3.54MHz ~ 5pF:10.53MHzとなった
47pFを接続して7MHzを受信できたのでこの構成で進めていくことに決定
同調回路
同調にはバリキャップ(可変容量ダイオード)を使用することを考えていて1SV149(1V:483.5~495.6pF)もしくは相当品が必要なのだが既に入手が厳しい
日本でも入手できない訳ではないようだが送料など含めると高価な買い物になるのでAliexpressで注文(10本で送料込み¥360)
以下の様に基盤を置き部品を実装する予定
バリキャップが届くまで暫くかかるので操作や電源確保手段の検討とアンテナは7MHz固定として試用してみようかと考えている
(追加があれば下側に同じボックスを追加できるのでスペースはまだ確保できる)
設置用器具
試用するにしても設置用の部材がいるので裏面にUボルトを取り付けた
7MHzに合わせるために60pFのトリマーコンデンサを銅線で引っ掛ける程度にするため準備
接続して調整
アルミパイプ版と比べてみて遜色ないようだ
後は防水対策を施し設置予定
試用
防水用のコーキングができたので設置してHDSDRにて試用受信
前作と比べてみると7MHzでの受信感度は上がった
HDSDRにて受信強度が7MHz(±100kHz)を中心に向上しているのが判る